ピロリ菌は人の胃の中に感染していて、胃癌や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となる注意すべき細菌です。日本では年齢が上がるにしたがって感染率が上がっていき、70歳以上の方では8割近くの方が感染していると言われています。
また30歳台の方でも2割弱の方は感染しているとの報告があります。井戸水がピロリ菌感染の原因と言われることもありますが、実は詳しい感染経路は不明です。ほとんどのピロリ菌感染は4歳ぐらいまでに起こると考えられています。
ピロリ菌感染と胃癌の関係はタバコと肺癌の関係と同じように考えられており、ピロリ菌は胃癌の大きなリスクファクターです。今までピロリ菌の検査をしたことがない方は一度感染しているかを調べて、もし陽性ならば、速やかに除菌をすることをお勧めします。
ピロリ菌を除菌することにより、胃癌になるリスクを1/2~1/3程度に減らすことができます。さらに、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り返している方にもピロリ除菌は極めて有効です。
ピロリ菌感染の有無の確認には、採血検査、尿素呼気テスト、便中ピロリ抗原検査など胃カメラを使わない検査と迅速ウレアーゼ試験、顕微鏡で菌を直接確認(鏡見法)する胃カメラを使う検査があります。当院ではすべての検査・除菌療法が可能です。患者さんの状態に応じて適切な検査・除菌法を行っていきます。
ピロリ菌を除菌しても胃癌になるリスクはゼロになるわけではないので、除菌後も定期的に(少なくとも1年に1回)胃カメラを受ける必要があります。
現時点で早期胃癌を発見するための最も有効な手段は胃カメラを受けることです。当院では、細径(鼻からも挿入可)の超高画質内視鏡システムを完備しており、検査はすべて日本消化器内視鏡学会指導医・専門医である院長が行いますので、苦痛なく検査をお受け頂けます。ご心配な方はぜひ当院にお越しください。